「相談支援事業を利用すれば親亡き後も安心して暮らせるのか」
2017.10.10
相談支援事業って知っていますか?
名古屋市は各区に基幹相談支援センターがあり、その他にも相談支援事業所があります。
障がい児者やそのご家族等は暮らしに関わる様々な相談に行くことができます。
福祉サービスや事業所、病院、入所施設等の紹介のみではなく
成年後見制度事業もしています。
が、現状 相談支援事業所の数は、足りていません。1人の支援員さんが100~150名も担当していることがあるそうです。そんなにたくさんの人を担当して、それぞれにきちんと対応し、成果がでているのか等 実態は気になるところです・・・。
相談支援を必要としている方が多いのに、事業所が足りていないのは、グループホームが足りていないのと同じで『経営してもあまり儲からないから』だそうです…。助成金を使えば、支援費以上の収入にもなるらしいのですが、変な話ですね。
儲かりすぎている放課後等デイサービスは、来年度から支援費の減額が決まりました。この様に儲かっているところは早急に削り、足りていないところの支援費を増額する等柔軟な動きがまだまだ必要に感じます。
話は戻りますが、 相談支援事業の支援員向け研修に参加してきました。
相談支援にあたる方は、どんなことを大切にしているのか
行政は、どんな相談支援員を育てようとしているのか
相談支援を利用すれば、親亡き後も安心して暮らしてけるのか等の疑問を解決することが参加の狙いでもあります。
研修の中で一番よく話されていたことは「本人の願いに合った支援」をすること。
本人の希望・本人の選択
誰とどこで暮らしたいのか、どんな生活がしたいのか
これらに重きをおいて支援していることがよくわかる研修でした。
知的障がい者の教育者・支援者である私が思ったことは
『普段の生活で関りがない人に、自分の希望を伝えられるようなに育てなければならない。』ということです。
制度や考え方は素晴らしいと思いました。が、自分の想いや気持ちをうまく表現できない知的障がい者や発達障がい者には、う~ん … 。
もちろん本人と関りがらる周りの方からも情報収集を行い、利用している施設のサービス管理責任者さんが意思決定の代理人になることも多いそうです。周りに本人のことをよく理解している支援者がいつでもいる状態ならさほど問題はないようにも感じますが、
たまたま相談支援が必要になった時に、たまたま関わっている方の考え方が反映されてしまうことや、たまたまサービス管理責任者の方との相性が悪いとか、たまたま支援者の価値観でしか支援できないサービス管理責任者だったら??
他人に人生を左右される可能性がある!?
考えただけで恐ろしい…。
その「たまたま」な状況をつくらないためにも、たくさんの支援者と共に生きることが大切だと改めて思いました。
相談支援事業の話に戻ります。
『中度知的障がいがある40歳の女性(生活介護を利用している)と70歳の父親の二人暮らし。母は他界。弟は結婚しているため少し離れたところに住んでいる。父親が認知症になり、介護施設への入居が決まった。』
この彼女への支援は、どんなことがなされると思いますか?
グループホームや入所施設での生活が正解だと思いましたか?
それが、『支援者の価値観』だそうです。
相談支援においての正解は、まずは「彼女の希望を知ること」そして「その希望をかなえられるよう支援すること」です。
本人が自宅で過ごすことを希望すれば、自宅での生活ができるよう居宅サービスを利用し、地域とも繋げるそうです。 (地域と繋げる意味は、またの機会にお話します。)
とゆうことは、中度・軽度の知的障がいがあっても将来の選択肢にグループホーム以外のものがあるということになります。そして、名古屋はグループホームが少ないので、在宅サービスのパターンが増えていっているそうです。
『本人の希望』が重要視されていることが本当によくわかりました。
最後に、今 私たちができることは何でしょう。
学校やご家庭では、「自分で自分が思っていることを伝える力を身に付けること」を意識して指導して頂きたいと思いました。そして「イヤ」も大切な意思表示。きちんと認めてあげてください。
放課後等デイサービスでは、個別の支援計画に「本人の希望」をきちんと入れて下さい。また、それを本人から伝える機会も作ってください。
それが、相談支援を利用するための練習になります。
福祉は変わっていきます。
制度も変わっていきます。
いつでも最新の正しい情報を得るようにしてください。
その方法の1つがこの みらせん@LINEであり続けられるよう、学び発信し続けます。
そして、それぞれの自立・本人の希望について考えるきっかけになれば幸いです。